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安藤麻 Interview 2021 January コロナ禍で迎えたシーズンとさらなるレベルアップへ向けて

2021-01-22 (金) 17:49


 
 コロナ禍で迎えた2020-21シーズンのアルペンワールドカップ。日本女子チームからはただひとり出場している安藤麻(日清医療食品)。孤軍奮闘にもかかわらず、昨シーズンからベストリザルトを更新し、今シーズンは連続でのポイント獲得など、すでにTOP30の常連となっている。世界選手権、そして残りわずかとなってきたワールドカップ後半戦に向けて今、なにを見据えているのかを訊いてみた。

SnowMAP-まずは現在の調子、そしてコロナ禍でスタートした今シーズン、例年よりも雪上トレーニングを開始するのが遅れるなど開幕への影響などはありましたか?
安藤麻-今の調子としてはまずまずといったところです。今シーズンは、8月末からヨーロッパへ渡りました。シーズンオフがこれまでで一番長かったのですが、滑り出しとしては順調でした。開幕まで焦るということはなかったですね。ゼルデン、レヴィと結果は出ませんでしたが…。レヴィではやはり緩斜面でスピードにのせることができませんでした。急斜面では悪くなかったのですが、やはり緩斜面が絶望するほどに遅かったですね…。

SnowMAP-昨シーズン、そして今シーズンのリザルトから着実にステップアップしている印象ですが?
安藤麻-成績だけみると、昨シーズンはじめてトップ20入りし、今シーズンもトップ15に入ることができました。ちょっとずつでも成長しているのかなとは思いますが、自分としてはそこまでの感覚はないというか、もっとがんばりたいなという気持ちが年々、強くなっています。また、むずかしさや大変さというか、そういったところを以前よりも感じています。むずかしさの中身も変わってきましたね。

SnowMAP-昨シーズン、トップ20入りを経験して見える景色が変わったところはありますか?
安藤麻-昨シーズン、20位以内に入ったところで特には変わりません。ずっとチャレンジャーのままです。ただ、そこからさらに順位をあげるというのは本当に大変だなと感じています。以前はそれが分かっていなかったから、もうちょっと軽く考えていたところはありました。次は20位だな。15位だな。といったくらいに。
もちろん、どんどんレベルがあがるので、大変さは多くなるのですが、今はそれを痛感しています。今シーズン、15位にはいったからといって、そんな簡単に次はトップ10入りだなとはなかなか言えないですね。トップ10に入るには、すべての面でそのレベルにそろっていないとダメだなと思っています。そういったところで、まだ自分の弱さも感じています。

SnowMAP-世界選手権に向けてはどうですか?
安藤麻-スラロームではスタート順位もあがりよかったと思っています。まわりからも期待されているところは感じていますが、いい意味であまり気にしないで臨みたいなと思います。世界選手権だけではないですが、これまでは力んで、空回りすることが多かったです。がんばりたいよりも、がんばらなければいけないの方が強かったですね。がんばりたいという気持ちを強く持てるようにしたいと思います。もちろん恐怖や緊張もありますが、少し自信を持ちつつ、楽な気持ちでレースに臨もうと思っています。実は、クーシュベル(GS22位)、セメリング(SL15位)の後、長谷川絵美さんからもらったアドバイスですごく楽になったところがありました。それは本当に助かりました。

SnowMAP-どのようなアドバイスだったのでしょうか?
安藤麻-多くの人たちにがんばれとか次も期待してるよ。といった声援をもらいます。もちろんそれはうれしいのですが、自分の中で、もっとがんばらないといけないという風に力んでしまうことがありました。そうなってしまうことを分かっているんでしょうね。ただひとり“がんばれ”とは言いませんでした。がんばれというよりもGO~って感じかな。がんばりたいという気持ちを大切に好きにやったらいいんだよと。それが不思議と救われたような気になり、とても楽になりました。

SnowMAP-今シーズンは女子チームで孤軍奮闘が続いていますが?
安藤麻-そのあたりは気にしていないですね。大変ですけど、ひとりも楽でいいですよ(笑)。ほかの国の選手と合同で練習することが多いのですが、いい刺激になっています。昨シーズンまでは日本チームとして動いていて、守られている分、他の国の選手のことや、どこまで滑ることができているのかなどの基準などがよく分からない部分もありました。今シーズンはそういった意味では、厳しい状況ではありますが、いい悪いもはっきりと分かり、刺激になっています。

SnowMAP-今シーズンは連続してのポイント獲得、15位フィニッシュとベストリザルトも更新しています。さらに上を目指すために明確な課題のようなものはありますか?
安藤麻-まずはメンタルですね。今シーズンは特にそう思います。しっかりと成績を出してくる選手はもちろんうまいのですが、しっかりと2本そろえてくる精神力やタフさというのはすごいなと思っています。技術だけでなくメンタルでの強さが大事だなと感じています。それがないと持っている技術も充分に発揮できないですからね。自分自身、そういった強さをもっと身につけたいと思っています。

SnowMAP-トップランクの選手たちは身近で見ていて、その“強さ”というのは感じるものでしょうか?
安藤麻-それは強く思いますね。ペトラ・ブルホバ選手は特にそれを感じますね。私自身も攻めてはいるのですが、彼女のフルアタックっぷりにはまだまだ及ばないところがあります。ただ、先ほどもお話しましたが、私自身、力んで空回りしてしまうことがあるので、いい意味でがんばらない、力まないようにしたいと思っています。実際、15位になったセメリングでの2本目は本当に何も考えずに滑ることができました。途中、ストックを離してしまったのですが、うまくキャッチできました。ふだんはトレーニングでもボールをうまくキャッチできないのに(笑)。力んで、空回りしないようにと意識できるようになったのは昨シーズンとの大きな違いですかね。

SnowMAP-これから世界選手権、その後もワールドカップが2戦残っていますね。シーズンもあっという間に終盤戦となりますが、今シーズンはどのような形で終えていきたいというところはありますか?
安藤麻-今はまだ、さまざまな面で弱いと感じる部分があるのですが、少しは強くなれたかなと感じられたらいいと思います。それは精神的にも人として、そして選手としてです。そうなることでまた来シーズンが楽しみになると思います。
 
SnowMAP--残りのシーズン、ケガのないように過ごしてください。
安藤麻-はい、がんばります!あっ、GO~って感じで!(笑)

すでに安藤麻にかんしてはワールドカップでポイントを獲得することが当たり前のような状況となっている。もっと上の順位が見たいと、期待はそのままプレッシャーへとつながるのであろう。しかし、メンタルが課題と自身で感じているということは、自分の状況を冷静に客観視できているのであろう。また、彼女自身の持っているポテンシャルをそのまま発揮することができれば、トップ10入りや、さらに上のリザルトが不可能ではないという自信のあらわれでもあるだろう。コロナ禍のなかでも孤軍奮闘を続け、世界のトップランクへと着実にステップアップしていく安藤麻。やはり期待は高まるばかりだ。

2021年1/13インタビュー収録
写真提供:ATOMIC

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