いよいよ、アルペンスキー FIS ワールドカップ 2023/24が今年も、オーストリア / ゼルデンから始まる。本日、女子ジャイアントスラローム（※以後GS）が行われ、明日29日に男子GSが行われる。

先週末スイス / クールで、フリースタイルスキー FIS ビッグエアが開幕したが…日本人の名はそこには無く、このアルペンの開幕戦が日本スキー界にとってはW杯開幕戦となる。

ただ、今日のレースに唯一名を連ねる予定だった、昨年のファーイーストカップ女子GSの覇者、石橋 未樹選手（ガスワンスキーチーム）が1週間ほど前に、練習地のスイス / サースフェーで前十字靭帯断裂と骨挫傷の怪我を負い戦線離脱。石橋選手は初のW杯転戦の権利を持って挑むシーズンだっただけに実に残念な結果となり、このレースの日本人選手の出場はいなくなってしまった。

翌日29日の男子GSは、去年のファーイーストカップ男子GS覇者、加藤 聖五選手（野沢温泉SC）と、ヨーロッパのクラブチームでトレーニングを積み、ヨーロッパカップなどでポイントを上げている若月 隼太選手（GALA湯沢SC）が参戦予定。日本スキーチームの2023-24シーズンの先陣を切る。

この模様は、J-SPORTS1とJ-SPORTSオンデマンドで放送されます。

アルペンスキー FIS ワールドカップ 2023/24 〜男子ジャイアントスラローム(GS)〜 ゼルデン／オーストリア

解説：吉岡大輔
実況：吉田暁央、加藤暁
開催日：2023年10月29日(現地)
開催地：ゼルデン, オーストリア

放送日：2023年10月29日（日）
放送時間：午後 5時 40分～午後 11時 00分

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資金難と準備不足が否めないシーズン

この開幕戦は、ここ数年この時期に開催されており、日本チームもこの大会に向けて準備を進める。しかし、今年は例年とは違う出来事が起こった。

通常、7月初旬にはチーム体制を発表。南半球やヨーロッパの氷河でのトレーニングに行ったり、コンチネンタルカップを戦ってポイント獲得を目指すなど、シーズンは夏季から始まる。しかし、今期はそれが出来なかった。

原因はコーチ陣などのチームスタッフが固まらず、チーム体制発表が9月末まで伸びたこと（選抜選手の発表は7月にされた）。そのためチームとしての動きが取れず十分な準備が出来たとは言い難い。

アルペンスキー男子チーフコーチの河野 恭介さんによれば…チームとして動けなかった夏季は選手それぞれが南半球に行ってトレーニングを重ね、コーチ陣も選手との連絡が途絶えない努力したという。

ただ、雪上でのチームトレーニングが不十分で短く限られた時間となり、切迫した中での開幕戦から逆算しての調整は、出来ることも限られ、レースを出来るギリギリのところで開幕戦を迎えたと話す。

そして、環境の変化もあった。
インフレと円安によって活動費が上昇。その上昇率は2020年頃の1.3倍。そして、アルペンスキーチームに振り分けられた予算も近年、多要素から減額が続き。非常にチーム体制を逼迫させている。

そこで、今期はチームでオーストリア / クーフシュタイン近くの一軒家を拠点とし、なるべく通える練習場や大会会場はそこから通う。また、移送費を抑えるため、その都度チーム状況を見ながら工夫をしていくという。

2本目へ期待感有り！

実は、W杯男子GS競技において日本人が2本目に進めたのは、2004年の佐々木 明選手以来いない。やはりスラロームに比べるとスピード系の要素が含まれるGSでは、世界の舞台で思うように成績が残せていないのが現状のようだ。

しかし、今回出場する加藤選手も、若月選手も、去年や一昨年のシーズンでヨーロッパカップで一桁台に入るなど、歴代の日本人選手から見てもGSの実力者。

是非、2本目に残り順位を残して、逆境のチームに良き流れを引き込んでほしい。

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